e24 ネパール ポカラへの道程2 蹂躙された村 ひき殺された老婆

はじめての方は「e1 タイ1 スコータイ マハタート寺 ぶよぶよとした世界」からどうぞ

「e23 ネパール ポカラへの道程1 バスと土砂崩れと太陽」のつづき

image_nepal2.jpg

 肩を叩かれて、

私は立ち上がった。

 皆、歩いて土砂の上を渡り始めていた。


 道が崩れた後に

人が歩けるほどの道ができている。


 崩れた土砂の上にできたばかりの道は

10メートルくらいしかなかった。

 そこからまた、

熱せられたアスファルトの上を

 長い間、歩いた。


 肩にくい込んだバックパックが

時間の流れを遅くしていた。

ghandrung.jpg

 坂の下で待っていた

別のバスにたどりつき、

水と昼食を口にしたのは

日が暮れてからだった。


 私が到着した後、

しばらくして、

バスにたどりついた

一人旅の女性は

ほっとしたのか

バスの乗降口で泣き崩れた。

ghandrung.jpg

 前方のバスから順々に走り出した。

皆、早く宿で横になりたがっていた。

 しかし、

私の乗ったバスは出発しなかった。


 三十分ほど待たされた後、

もう一度、全員がバスから降ろされた。


 先頭のバスが村人をひき殺したのだという。

night-sky.jpg

 バスの長い列が

闇の中へ続いている。


 一時間ほど食堂で待っていたが、

状況が変わらなかったので、

先頭のバスまで歩いて行った。


 暗闇の中に

揺れる炎があった。

 村人たちが十人くらい座り込んでいる。


その真ん中、

道の真ん中に、

跳ねられたままの姿勢で、

老婆がうつぶせに倒れていた。

night-sky.jpg

 ネパールに旅行者が来るようになってから、

静かな村はバスに踏みにじられてきた。


早朝から夜中まで、

排気ガスをまき散らされ、

家畜をひき殺されたりもしたのだという。


 バスの通り道に座り込んで遺体を移動させないことは、

村人たちのささやかな抗議活動なのだ。


 不自然な格好をした遺体の腹の辺りに、

二本のろうそくが、

中陰にある老婆の心を照らすように

捧げられている。


 私は手を合わせ、

老婆の良き来世を祈った。


meditation-techniques-7.jpg

「e25 ネパール ポカラへの道程3 ネパール人とイスラエル人 同情と共感と自己主張」につづく

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