e28 ラオス ルアンパパン2 認識するものと認識されるもの 幸せになる方法

はじめての方は「e1 タイ1 スコータイ マハタート寺 ぶよぶよとした世界」からどうぞ

「e27 ラオス ルアンパパン 朝の托鉢 オレンジ色の袈裟」のつづき

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 真上に昇った

ルアンパパンの太陽の日差しは

オゾンホールのそれと

同じくらい厳しかった。


 宿の一階には

プラスチックのテーブルといすが並び、

食事が取れるようになっていた。


 注文を取りに来た女の子が

申し訳なさそうに

停電なので扇風機が使えないことを

私に伝えた。


 今日は学校行かないの?

「今は夏休み」

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 道の遠くのほうに蜃気楼が見える。


 道路が濡れている。


 本当は濡れていないのかもしれない。


 でも、本当に濡れてるか否かは、

あの場所に行ってみないとわからない。


 実際に認識するまでは、

認識されるものがどういう状態であるかは

まったく不確定なのだ。

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 蜃気楼は

ゆらゆらとゆらめいている。


 私はそのゆらめきに同調する。


 心の波と視界のゆらめきの波長とを近づけていく。


 しばらくすると、

私全体が道路の上でゆらめきはじめた。


 感覚器官のすべてが

ゆらゆらと同調しはじめたところで、

目の前にいきなり皿が置かれた。


 皿の上には、

ハムや野菜がはさまれたフランスパンがのっていた。


 ラオスはフランスの植民地だったことがあり、

フランスパンがおいしい。 

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「ここ、いいですか」

といいながらも、

初老の日本人が

少し威圧的に

私の前に座った。


「暑いねぇ」


 定年まで商社で働いていたが、

今はタイで年金生活しているという。 


「働き盛りの男たちが

非生産的な生活を送っている。

だからこの国は……」

眼鏡を持ち上げて

汗をふきながら

批判を始めた。


 それはラオスの出家僧と

それを容認している社会に

対する批判であると同時に

小汚い格好で放浪していた

私への批判でもあった。  

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 経済のみに偏った価値観が

不幸を生み出してきた。


 経済成長に比例して自殺者が増加し、

経済大国になると同時に

日本はストレス大国になった。


 日本では現在、

毎年、三万人以上が自殺する。


 皮肉なことに

経済状態が悪化している現在でも

自殺者は増加する一方だ。

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 一つの現象には、

無限の解釈の扉が開かれている。


 どの解釈を選び出すかは心が決定する。


 自分の外に幸せを探し続けても

見つかることはないだろう。


 もし、見つかったとしたら

それは錯覚だ。


 人は錯誤から離れることができなければ、

苦悩をともなって生きなければならない。


 豊かで満ち足りた人生は

心の探求によってのみ現実となる。


 なぜならば、

幸せとは

心の状態なのだから。
 

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「e29 チベット ラサ 巡礼者 文化の破壊 」につづく

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